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これも20年ぶりくらいの再読金子光晴が戦前の馬来と蘭印を放浪した際の記憶を綴った紀行文。古めかしく聴き慣れない散文詩のような言葉の羅列を読み進めるがイメージがつかめず同じ行を幾度も読み返す過程で段々と文章酔いして冒頭に出てくる熱帯の河に浮かぶ船にでも乗っているような感覚に襲われる。
後年に発表する放浪三部作(どくろ杯、ねむれ巴里、西ひがし)を読んでないと金子光晴がどういういきさつで馬来、蘭印を旅してるかも分からないが放浪間もない作品だけあり描写が鮮烈な印象を受ける。